味探検:世田谷区祖師谷「鈴木」絶品コロッケとメンチの巻
松坂牛1頭買い店だからこその絶品コロッケとメンチ
世田谷区「祖師谷 鈴木」
「南二子道、北高井戸道、西府中、底の抜けた駕籠が通りそうな四つ角」。
現代歌曲に多くの詩を提供した深尾須摩子歌曲集「祖師谷より」(山田一雄曲)の「道しるべ」に歌われた江戸期造立の石標が、商店街を抜けた塚戸四つ角に立つ。
中世以来、人々が行き交った祖師谷通りの歴史が現代のにぎわいへと移行するきっかけは、昭和34年祖師谷住宅の完成あたりからという。当時最新の集合住宅としてセタガヤカルチャーが形成されていく時代を担った。
「団地併設店として抽選に当たり営業を始めた」という松坂牛指定販売店「祖師谷 鈴木」御主人の小谷野安男さん(写真上)。松坂牛を扱わせたら都内でもこの人ありと知られる御主人は、定休日を芝浦市場に松坂牛を1頭買いで競り落としに出かける日に当てている。
小谷野さんえり抜きの松坂牛切り落としのひき肉を使った、なんともぜいたくなコロッケ(80円)とメンチ(130円)。
「熱々のうちにジャガイモと合わせ成形し、粗熱を取り冷蔵庫で水分を飛ばしたあと揚げればホクホクコロッケができる」
と奥さんの澄子さん。塩と胡椒だけの味付けと新しい油で揚げる。原料肉に限りがあり、コロッケ1000個、メンチ300個の販売が限界のため、昼頃にはメンチ、3時頃にはコロッケが完売する。
足と暇をかけてでも晩ご飯のおかずにしたい、そんな味なのだ。松坂牛「マツコマ」(100g650円)もおすすめだ。(中島満)
メモ「祖師谷 鈴木」
東京都世田谷区祖師谷2ノ4ノ7。小田急線祖師谷大蔵駅下車右手商店街方向徒歩7分。交番のある公社・祖師谷住宅手前の道右折すぐ右手。定休月曜(他不定月2回火曜休)。営業午前7時~午後7時、揚げ物10時半~。電話03・3484・4129。
注:内容は取材時のものです。現時点で価格等変更がある場合があることをご了承下さい。取材掲載:東京新聞2003年5月29日連載324回(街道209回)。写真記事:copyright 2003-2009,Mitsuru,Nakajima:リンクは自由ですが、記事写真引用についてはMANAまで了承の確認を取ってください。
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