味探検:郷土の味:中央区「京ばし 松輪」
三浦半島沖好漁場から四季折々の豊富な魚介がそろう
中央区 「京ばし 松輪」(まつわ)
東京周辺で味探検できる郷土料理や、産地直送素材料理の紹介をはじめよう。まずは三浦半島の松輪港から直送される地魚料理の店「京ばし 松輪」から。
ご主人・荏原正典さん(写真)は、三浦周辺の地物魚貝情報を聞くなら“この人”と知られる存在だ。
マダコの佐島、マグロの三崎と三浦に数ある漁港の中で、城ヶ島に近い松輪(まつわ)は、沖合いに「マツワ」や「マタギ」と呼ばれる好漁場の“根”や“瀬”を持ち、夏場が旬の「松輪サバ」は、漁獲がわずかで、プロも珍重する幻のサバだ。
料理人として松輪港に通いつめ、地元漁協(三浦市漁協松輪支所)から“マツワ”の名称使用を公認されるほど。魚卸売り業「三浦地魚本舗」を経営しながら、2004年9月に「京ばし 松輪」を開店。松輪サバの刺し身やバッテラは、取材時には漁期終了で、来年までおあずけだが、冬場の楽しみが用意されている。
四季折々水揚げされる豊富な種類の魚貝から選りすぐった「刺し身盛り合わせ」(写真2人前。1人1800円~。2人前から)をすすめたい。写真左下から時計回りに、ヒラメ、赤ヤガラ、ギンガメアジ(主人が手に持つ魚)、真ダコ、サザエ、イナダ、メダイ、クロダイ、ヒラソウダガツオ、紋甲イカ、中央がウスバハギの肝あえ(魚種は日々変動するそうです)。
カヤカリ、ガランチョウの刺し身、焼き・煮魚にカラ揚げなど、珍魚・大魚に雑魚料理メニューが豊富だ。「どんな魚?」と店長や店員に尋ねれば答えてくれる。
下旬からマタギ漁場でとれるキンメダイの鍋や刺し身が加わる。
昼限定、〝究極〟の「アジフライ定食」とは何ぞや?
昼定食には地物マアジを使い、大根おろしと醤油で食べる「アジフライ定食」(1200円。他単品で地魚刺し身「海鮮漬け」300円)もある。(中島満:MANA)
○「京ばし 松輪」
東京都中央区京橋3-6-1秋葉ビルB1。地下鉄銀座線「京橋」駅2番出口を銀座中央通りにでて、銀行先左手。徒歩1分弱。電話03-5524-1280。営業昼午前11時30分~午後2時(月~金)。夜は午後5時~10時。定休は日曜・祝日。カウンター10席・テーブル22席・小上がり8席。
注:内容は取材時のものです。現時点で価格等変更がある場合があることをご了承下さい。取材掲載:東京新聞2004年11月25日「味探検」連載401回。写真記事:copyright 2007,Mitsuru,Nakajima:リンクは自由ですが、記事写真引用の場合はMANA宛ご一報下さい。
○注記(1):昼限定、〝究極〟の「アジフライ定食」とは何ぞや?:どうも、ネットでこの店を検索すると、アジフライ定食に〝究極〟が付く記事が載っているらしい。新聞掲載には、載せられなかったアジフライ定食の写真は、右のとおり。
定食に付く付け合せの料理もあるから、値段はさておいて、「アジフライ」という料理に、はたして〝究極〟という形容詞がふさわしいのかどうか、という単純な??を感じるのは、筆者だけであろうか。そもそも、料理のメニューには、〝格〟というものが付いて回るというのが、筆者の味の価値観があって、アジという魚の素材を、〝フライ〟という料理のメニューにするとき、それは大衆食としての食堂のアジフライの枠を超えては存在しないのである。最近の言葉で言えば料理の品格とでも言おうか。どんなに高鮮度で、脂ののった季節のアジを素材にしたとしても、大衆食アジフライの品格の粋を超えることはできないというのが筆者の考えである。究極の食べ方もなにも、そんなものは、店に用意された既製の〝とんかつソース〟を付け合わせにたっぷりと盛られたキャベツの千切りととtもにドボリとかけて食べる定番の食べ方こそが、アジフライ定食の一番うまい食べ方なのだと信じて疑わない。だから、店主に、こう食べるのが一番だ!と、いわれるのも、筆者など、大きなお世話、と、ふところからマイソースでも取り出し対心境に駆られてしまうのだが……。蛇足であるが、……
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