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宮古島DS裁判第三次訴訟高裁判決出る

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200610201300_08.html

沖縄タイムス/2006年10月20日(金) 朝刊 31面 

【記事タイトル】双方の請求退ける/伊良部漁協・ダイビング訴訟

【記事内容】伊良部町漁業協同組合と地元ダイビング業者が漁業権と海域の使用権をそれぞれ主張し、互いに損害賠償を求めていた訴訟の控訴審で、福岡高裁那覇支部は十九日、「両者に具体的な損害は認められない」として、双方の賠償請求を退ける判決を言い渡した。
 一審・那覇地裁は、ダイビング業者側の請求を一部で認め、漁協側に計六百五十五万円の支払いを命じていたが、同支部は「漁協の妨害行為によって顧客に返金したなどの具体的な立証はなく、損害の発生は認められない」として、判決の一部を取り消した。
 小林正明裁判長は、漁協側の損害についても「具体的に確定できない」と指摘。「海での出来事という性質上、損害の立証が困難なため、事前の協議で紛争解決するのが望ましい」と述べた。
 同海域では、漁協側がダイビング業者や客をもりで威嚇したり、海域から退去を求めたりする「監視活動」を行い、これに反発する業者側と対立が深まっていた。

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いま、なぜローカルルールなのか(1)

コモンズ研究会メーリングリストへの投稿

2006年6月21日[commons:01363] 「ローカルルールの研究」出版しました(コモンズ研究会

コモンズ研の皆様
○MLでも案内がありました5月19日東京早稲田での「いりあい、よりあい、まなびあい」勉強会で、「いまなぜローカルルールなのか」を報告する機会をつくっていただきました中島です。
○その報告の内容を含む『ローカルルールの研究―海の「守り人」論Part2―ダイビングスポット裁判検証から』が、出版されましたのでご案内方々メールいたしました。
○室田先生から、「海の入会は複雑だから」ということで、参考書として紹介(ありがとうございました、うれしかったです)していただきました「海の『守り人』論」(浜本幸生監修著・対談)の共著者にして、この本を制作した編集者でもありまして、今回の本は、サブタイトルで、『海の「守り人」論』パート2という位置づけを持つ内容になっています。なぜパート2かについて、

http://www.manabook.jp/localrule-saiban.htm

をご覧いただくと、内容及び目次を入れておきましたので興味のある方はご覧いただければと思います。勉強会のときお配りしたパワーポイント資料も、そこから見ることができます。
○中島は、制作者でもあるため、PRさせていただくことをご了承いただくとして、もし本書に関心があり、読みたいというかたがいれば、「コモンズ研のML参加者」をひとこと明記した注文メールを後述する私のサインにある個人メール宛にいただければ、定価(税込み5250円)の1割引価格(送料サービス)にて送付いたします(割引サービス期限はおおよそ7月末ぐらいまで)。
○「ローカルルール」ということばは、勉強会でもどなたかがおっしゃられましたが、マージャンやカードやゴルフの「個別・限定ルール」のような時に良く使われる言葉ですが、地方分権を推進するに当たっての条例や地域協定を旧来よりもさらに地方の自治性を高めた役割を与える時に、使われるようになってきたことが、新聞報道等でぼちぼち知られるようになってきました。
○昨年5月に、地域社会学会年報17集のタイトルは「〈ローカル〉の再審」で、「まちづくりとローカルガバナンス」のテーマや、「国家統治システムの再編と自治・分権」が論じられ、私も、なるほど現代とは、「ローカル」や「ガバナンス」を論じる時代なんだと、とても勉強になりました。
○近代以降の漁業権の成立史をずっと追いかけてきて、現代の地先海面の利用のシステムを考える時、これまででしたら、こうした成立の背景をもつ「漁業権」の性格を論じることによって、あるいは、漁業権を、管理や利用のシステムのどこにおくか、(誤解を恐れずにいえば、漁業権はじゃまだからより弱める権利として解釈しようとするひともいれば、漁業権を忘れてもらっちゃあこまる、財産権としての漁業権の性格そんじょそこらの社会経済の変化があったって少したりとも変わるもんじゃあないという人もいれば、……)は、いつも議論になって、そのつど、論争が起きたりするわけです。
○ところが、私も、そうした論争になるときには、後者の論で、真っ赤になって論争をしたりもしてきたのですが、じつは、もうすこし違う性格も備わっているんじゃないかと、かねがね思っていたのです。
○それが、静岡県沼津市の全国でも有名なダイビングエリアの大瀬崎で、ある一人のダイバーが、その地区が自主的につくった協定に基づき一人1回潜水するときに340円を地元漁協に支払う、という決まりごとに、異を唱えて、「どこにそんな決まりがあるんだい」「340円を漁協に支払う根拠なんてないんだから、法的根拠がないことを知って、ダイバーから金員を徴収したんだから、そりゃー詐欺だ、是まで支払ってきた潜水料の合計金を返してほしい」と裁判所に訴えたのですね。
○この潜水利用料の根拠をめぐって、あしかけ10年余り、地裁(静岡沼津支部=第一審)、東京高裁(第二審)、最高裁(上告審)まできて、最高裁は、東京高裁に潜水料の支払い関係についての合意の有無について審理不尽につき東京高裁に差し戻しを命じ、差しもどされた東京高裁(第四回目の審理)では、結局、漁協側が勝訴の判決(つまり、潜水利用料の法的根拠は漁業法の漁業権にあることを認定)をしたのですね。
○このことについて、私は、ずっと、裁判の審理経過を裁判所でみて、関係者に取材をして、考えてきたんですけれど、結論は「漁業権」の法律的性格の解釈ということによってだけでは、どうしても、340円の意味が規定できない、ということに考えいたるわけです。
○これが、漁業権だけでもなく、海の『守り人』論で展開した「海の入会権」としての「地先権」とのかかわりだけでもまだ規定するのに十分でもないのです。そして、地域社会を構成する、漁協(じつは、当事組合である内浦漁協が所在する地区と、大瀬崎地区とは、沼津市の漁村地域のなかでは、遠く離れて存在している=つまり、漁業権の権利主体である関係地区がまったく異なるところがまた面白いのですが)、沿海部の山林や神社と入会所有関係を持つ複数の入会集団に、地区漁民集団である漁村区、民宿組合に、ダイビングショップ組合に、地域自治会、それぞれの利害の衝突と合意の経過から生まれた340円の料金徴収のルールを市民も受け入れざるを得ないシステムを支えるのは、旧慣、実定法規、慣習、新たに形成される協定等が相互補完しあいながら安定した地域社会の規範を形成するといういみでの「ローカルルール」という位置づけが浮かび上がってきたのです。
○これが大瀬崎地区という地区限定のシステムだけしか機能しないものなのか、もっと多様な地域に広げた汎用性のある概念であるのかのテーマが、今後残されていますので、その意味で、中島が、「あとがき」で、海面利用について「漁業的利用」⇔「入会的利用」⇔「市民的利用」の三つに分類して、漁業権制度に基づく海面利用の仕組みを、従来どおりの概念規定で整理できる場合、もはや整理ができなっている場合などにわけて、少しでも理解度を高めてもらえればと説明を加えています。漁業補償済み海面のいわゆる「オープンアクセス」になってしまった海面では、現実にどんな事が起こるのか、その具体的事例を「正」「負」にみたてた事例報告もあります。
○まあ、こんな本です。長々と失礼しました。もし良かったら読んでみてください。そしてご批判をしていただければとてもうれしい。(MANA:なかじまみつる)

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「ローカルルールの研究」発行しました

新刊の紹介 その1

里海叢書1 海の『守り人』論2
ローカルルールの研究
―ダイビングスポット裁判の検証から―
佐竹五六・池田恒男他著

2006年6月12日発行
A5判並製424頁
定価[本体5000円+税]

○海や川はだれのものだろう?
○海や川や湖=水系の管理主体はだれが担うのが良いのか?
○「入会(いりあい)」や「総有(そうゆう)」って「共有」とはどう違うの?

 海の『守り人』論で展開した漁業権や地先権の役割を、さらに現代の地方の時代というテーマをふまえ一歩進めて「ローカルルール」の考え方を提案します。
 海や水辺の利用と管理のメカニズムを「漁業(生業)的利用」「入会的利用」(農林漁業という産業としての暮らし)システムと「市民的利用」(人々の海・森・山・川へのアクセス)がおりあいを付けながら自治的に地域社会のルールを作り上げている実例をダイビングスポット訴訟という10年間続いた裁判判例と漁業権・入会権の成立過程の検討を加え導き出した。なぜ「漁協勝訴」なのか、その司法判断が導き出される過程の解明により、里海・里山利用やまちづくり、環境行政等にも影響をあたえるかもしれない斬新な実践論の書として読んでもらえれば著者一同の本望です。

◎掲載内容(目次)◎

Ⅰ 論文集

第1章 佐竹五六 総論

1-地先海面のレジャー利用をめぐる紛争と漁業法

  • ①問題の所在/②「法」ないし「権利」の観念が持つ二つの側面―実定法上の権利と現実に人々の意識を支配し、行動を規律している「社会的ルール」上の「権利」/②明治漁業法下における「実定法上の漁業権」と「生ける法上の漁業権」のギャップ―漁業法におけるギャップは何故発生したか―/④当面する課題と沿岸漁業を取り巻く社会的経済的環境/⑤如何に対応すべきか

2-書評「海の『守り人』論」を読む

3-共同漁業権は「入会の性質を失った」のか

第2章 池田恒男 判例評釈

  1. 共同漁業権を有する漁業協同組合が漁業権設定海域でダイビングするダイバーから半強制的に徴収する潜水料の法的根拠の有無(東京高判平8・10・28)(大瀬崎ダイビングスポット訴訟・東京高裁判決評釈)
  2. 共同漁業権を有する漁業協同組合が漁業権設定海域で潜水を楽しむダイバーから徴収する潜水料の法的根拠の有無(大瀬崎ダイビングスポット訴訟・上告審判決及び差戻し控訴審判決評釈)

第3章 田中克哲 マリンレジャーとローカルルール―DS訴訟事件

第4章 池俊介・有賀さつき 伊豆半島大瀬崎におけるダイビング観光地の発展

第5章 上田不二夫 宮古島ダイビング事件訴訟

第6章 浜本幸生 補論

 ①渡船業者及びダイビング事業者と漁協との紛争にかかる判例
 ②漁業権消滅後の漁場に生じている事態

Ⅱ 判決・資料集


(1)~(5)大瀬崎DS裁判―静岡地裁沼津支部判決(一審)/東京高裁判決(控訴審)/最高裁控訴審上告理由書/最高裁判決/東京高裁判決(差戻審=結審)
(6)~(9)沖縄伊良部島D裁判―那覇地裁平良支部判決(一次訴訟)/那覇地裁平良支部判決(二次訴訟)/福岡高裁那覇支部判決(二次訴訟控訴審)/最高裁判決(二次訴訟結審)

あとがき 中島満―徳島牟岐・和歌山すさみ・岩手県宿戸・東京湾お台場の事例から

○著者の現在所属
佐竹五六(全国遊漁船業協会会長・元水産庁長官)/池田恒男(龍谷大学法学部教授。元東京都立大学法学部教授)
上田不二夫(沖縄大学法経学部教授)/田中克哲(ふるさと東京を考える実行委員会事務局長)/池 俊介(早稲田大学教授・元静岡大学教育学部教授)/有賀さつき(静岡大学教育学部卒)/浜本幸生(故人・元水産庁漁業法制担当官)/中島満(ライター・漁業史研究家・季刊里海編集同人)

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