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書紀・古事記に登場する魚の名を冠した人名の整理

古代史に登場する魚名冠人名の整理

シビやコノシロやフナの名前のついた人名が日本書紀や古事記に載る。狩谷エキ斎「箋注倭名類聚抄」の読解と現代語訳を進める中で、原典確認の作業の過程で、該当箇所の注記だけではなく、一覧にしておく必要を感じた。

(1)鮪:箋注倭名類聚抄第八巻:〔11〕鮪 食療経云、鮪、{音委、}一名黄頬魚、{之比、}{○「武烈紀」の訓注に「鮪 、此を慈寐(しび)と云う」。:平群臣鮪(へぐりのおみしび)

(注1)武烈紀:日本書紀巻第十六「武烈天皇」影媛(かげひめ)、曾(いむさき)に真鳥大臣(まとりのおほおみ)の男(こ)鮪(しび)に姧(をか)されぬ。{鮪、此(これ)をば玆寐(しび)と云ふ。}太子の期り……以下略。

(注2)鮪:しび:①岩波文庫版「日本書紀(三)」注六(147p):清寧記〔古事記、下つ巻清寧天皇〕には「平群臣之祖、名志毘臣」とあり、菟田首(うだのおびと)の女、大魚(おふを)を歌垣で顕宗天皇と争って殺されたとある。記紀いずれの形が本来のものか明らかでないが、津田左右吉は……中略……書紀編纂の際に顕宗天皇についての物語を武烈天皇の話にすり換えたのであろうとしている。②同内容について「古事記伝」第43(清寧)(吉川弘文館増補全集本第四)2119~2134p参照。

(注3)補注○:「シビ」と訓むことについては、箋注倭名類聚抄第八巻〔14〕鮫の注14-13(a)(b)において エキ齊によって、サメのサンスクリット語源説に関連してシミ≒シビの訓みとのかかわりに触れているので参照されたい。

(2)-1コノシロ:箋注倭名類聚抄〔38〕[制]:孝徳紀人名、訓注:『日本書紀』巻第二十五「孝徳天皇」:大化二年三月条:塩屋(連)[制]魚{[制]魚、此云、挙能之盧。}

(2)-2コノシロ:同[制]:〔25〕[覃]の注(25-3)[台](えい)を載せた日本書紀齋明紀に「塩屋連[制]魚」(しおやのむらじこのしろ)をのせ、[制]魚を「このしろ」と訓みを与えている。また、同記載前に「物部朴井連鮪」(もののべのえいのむらじしび)(粛清される有馬皇子の居る家を兵で取り囲む件)の人名を載せる。

                                 by MANA中島 満

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