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サンマはいつから「秋刀魚」と書くようになったのか?(1)

サンマと秋刀魚の名物考証をしてみました

サンマはいつから「秋刀魚」と書くようになったのか?(1)

  Sanma_2 魚名考証漢字字典として載せている「真名真魚字典」サイトを見たといって質問メールをいただくことが多くなりました。最近のメールで多いのが、いまがまさに旬まっさかりの「サンマ」に関するもので、「サンマは、秋刀魚と書きますが、鯛や鮪のように、漢字一字で、サンマをあらわす字はあるのですか?」に類似した質問をされるかたが多いのです。

 ところが、実は、正直なところ、筆者もまだ、サンマについて、きちんと語源及び漢字表記の考証のための、文献整理をしたことがなかったので、満足に答えられないことを吐露せざるを得ません。手持ちの資料で、急場しのぎの次のような返事を書いて返信しました。

○プレ考証(返信第一報):「MANAしんぶん:http://www.manabook.jp/
の「真名真魚字典」:http://www.manabook.jp/manamana-uohenkanji.htm
を読んでいただきありがとうございます。出典を明記していただければ、引用していただいてかまいません。
 ところで、「サンマ」は、まだ項目として整理していないので、きちんと答えられるかどうか自信がありません。みなさんがご存知のことがほほとんどだと思いますが、手元の資料を調べて、お答えすることにします。

 漢字では、一般的には「秋刀魚」が使われていますが、江戸時代の本で、この字をまだ見つけていませんから、おそらく明治にその形態から充てられた漢字だと思います。どの文献がはじめに「秋刀魚」を書いたのかは、私もまだ調べていません。
江戸時代には、[箴]=魚ヘンに「箴」と書き、シンと読ませる字を、サンマに当てています。また、「針魚」としたり、「青串魚」、あるいは「細魚」として、サヨリの異名に「サンマ」が載ります。

 明和年代(1764から1772)に記された随筆「梅翁随筆」のなかに、塩漬けのサンマ(あましおのさんま)のことが載っています。

 ただし、「サンマ」として、江戸時代に記述された文献がちょっと調べただけでは少ないようです。「目黒のサンマ」のような落語もありますが、明治になって演じられたもので、江戸や和歌山や、日本海に産地としてサンマの漁法を記す資料もたしかにありますから、けっこうひろく生産消費されていたことが予想はされるものの、実は、あまりよくわからない、というのが正直なところです。

 また、江戸期の川柳を記した「ハイ風柳多留」に、天明二年(1782年)編の作に「さんまのひものくいさして鳥おひ」があり、明和、天明期に、江戸で、塩魚として食べられていたようですが、いまのさんまの焼き方で、煙もうもうとして、焼いていた姿が、本当にあったかどうか、厳密には、よくわかりません。
 この程度でご容赦ください。

 さて、この程度の知識じゃあ、質問者に申し訳ないですから、MANAしんぶんのトップページの「旬な写真」を「サンマ焼く」に切り替えたのをよい機会に、「サンマ」と「秋刀魚」について調べてみることにしました。

 真名真魚字典「その他9画:秋刀魚」の項目を作り、典拠資料を抜書きして整理してみると、いくつか面白いことがわかってきました。

 (1)「さんま」という呼び方は、江戸時代中期ごろまで使用文献をさかのぼれますが、[箴]あるいは[箴]魚という、サヨリに充てられる漢字を、サンマを指す漢字に充てる例はあっても、タイ=鯛やスズキ=鱸のような、的確な魚名漢字が見当たらない。

 (2)「秋刀魚」の漢字表記は、江戸時代に成立している文書には、現在までのところ見つかっていない。

 (3)おそらく「秋刀魚」は、明治のはじめごろに使われ始めたのではないかという予測がつくが、はじめて「サンマ=秋刀魚」と記載した文書がなんであるのかは、見つかっていない。

 (4)落語の「目黒の秋刀魚」は、江戸時代の殿様が主人公になる古典に属する有名な話だが、初演は明治になってからで、それでは、誰が始めに演じたのか、(3)とのかかわりで調べてみる必要が出てきた。

 ……(続く)

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コメント

秋といえば秋刀魚!今でも十分おいしいです。江戸時代頃から秋刀魚は食べられていたんですね、
江戸時代に描かれた魚の図鑑の一部が発見されたそうです。 「衆鱗手鑑(しゅうりんてかがみ)」と呼ばれみたい。
江戸時代、高松藩主・松平頼恭がお抱えの絵師に描かせたものだそうです。

魚のトゲまで一本一本正確にはり付けられているリアルな図鑑。461種類。
実物を見てみたい。

投稿: 編集部.K | 2008年12月11日 (木) 02時44分

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